◎ 減価償却費の計算



償却方法の変更・中古資産の耐用年数・ソフトウェアの処理他




(1) 償却方法を変更する場合 (償却限度額の計算)



@ 「定額法」 を 「定率法」 に変更した場合
  • 変更した事業年度の開始の日における帳簿価額 又は その資産に係る
     改訂取得価額に償却率、改訂償却率 又は 保証率により計算する


  • A 「定率法」 を 「定額法」 に変更した場合
  • 次の (@) の取得価額 又は 残存価額を基礎とし、(A) に定める年数に
     応ずる償却率により計算します

  • (@) 取得価額又は残存価額は、償却資産の取得の時期に応じて次の
      (イ)又は(ロ)に定める価額による
    (イ)平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産
     変更した事業年度開始の日における帳簿価額を取得価額とみなし、
     実際の取得価額の10%相当額を残存価額とする

    (ロ)平成19年4月1日以後に取得した減価償却資産
     変更した事業年度開始の日における帳簿価額を取得価額とみなす

    (A) 耐用年数は、次の (イ) 又は (ロ) を選択する
    (イ)その償却資産について定められている耐用年数
    (ロ)その償却資産について定められている耐用年数
        から、経過年数 (※) を控除した年数
         (その年数が2年に満たない場合は、2年)
     (注)経過年数に1年未満の端数がある場合は切り上げ
    (※) 経過年数 : 変更した事業年度開始の日における
    帳簿価額を実際の取得価額で除して得た割合に応じるその
    耐用年数に係る未償却残額割合に対応する経過年数
  • 「定率法未償却残高表」 による経過年数

  • 平成19年3月31日以前に取得した資産については、償却可能限度額に
      到達後5年間で1円まで均等償却が可能になりました H19年改正 →
    平成19年4月1日以後に取得する資産から、残存価額が廃止されました



    (2) 償却可能限度額・・・どこまで償却できる?


    ● 原    則 ⇒
  • 有形固定資産は取得価額の95%まで
  • 無形固定資産は取得価額の100%

  • ● 例   外 ⇒
  • 鉄筋コンクリート造りや石造りのような堅固
    な建物,構築物又は装置は簿価が1円まで

  • 平成19年4月1日以後に取得する資産から1円まで償却可能になりました
    H19年改正へ→



    (3) 中古資産の耐用年数


    ● 原    則取得後の使用可能年数を見積もる

    ● 簡 便 法見積もりができないとき

    (@) 法定耐用年数の全部を経過したもの・・・・・・
    法定耐用年数×0.2

    (A) 法定耐用年数の一部を経過したもの・・・・・・
    (法定耐用年数−経過年数)+経過年数×0.2

    (B) 中古資産を取得し改良費を支出した場合で、
    その支出額が 中古資産の取得金額の100分の50に
    相当する金額を超えるとき (耐通1-5-6)・・・・・・
    中古資産の取得価額(改良費の額を含む)
    中古資産の取得価額改良費の額
    中古資産につき、(@) (A)
    の方法で算出された耐用年数
    法定耐用年数

    (上記で1年未満の端数は切り捨て、2年未満の年数は2年とします)



    (4) 簡便償却 (2分の1簡便法)


    平成10年4月1日以降開始する事業年度から廃止されました。



    (5) 営業権の償却 (償却方法・耐用年数)


    営業権の償却方法が、任意償却から定額法(耐用年数5年)に。(5年間の均等償却で月数按分不要) (任意償却が廃止されました)

    ● 営業権が認識できる場合
    (1)法律上の権利タクシー業のナンバー権など権利を取得
    するために支出する費用
    (2)差額概念説  純資産額 と 譲渡金額との差額
    (3)超過収益力説超過収益を稼得できる無形の財産的価値
    ある事実関係
    (4)営業機会取得説特定の販路・得意先、特殊な製造技術等

  • 尚、営業権を譲渡した場合の所得の区分は、「譲渡所得」 になります



    (6) ソフトウェアの処理 (勘定科目・償却年数)


    平成12年4月1日以後 取得するものから、
     (1) 科目が 「無形固定資産」 となり、
     (2) 少額資産の取得価額の損金算入の適用対象金額は10万円未満
        となりました。 (→時限的に30万円未満)
    区  分改 正 前改 正 後
    他者に委託等自社利用繰延資産・5年償却無形固定資産・5年償却
    研究開発無形固定資産・3年償却
    販売用
    自社で開発等自社利用資産計上は不要
    (期間費用として処理)
    無形固定資産・5年償却
    研究開発無形固定資産・3年償却
    販売用



    (7) 電子計算機の耐用年数の改正


    平成13年4月1日以後に開始する事業年度から適用
    改正前改 正 後
    細 目耐用年数細  目耐用年数
    電子計算機6年電子計算機
     パーソナルコンピュータ
     (サーバー用のものを除く)
     その他のもの(ワークステーション等)

    4年

    5年




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    ここでは、特別な場合(償却方法を変更した場合・中古資産を取得した場合)の耐用年数の求め方
    や 改正があったので間違い易い 営業権・ソフトウェアの償却年数(科目)についてまとめてみました。




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